ある中年看護助手と保護犬の婚活生活

我が家に来たときから直腸末期癌の高齢保護犬と、ずーっと派遣で事務職と医療事務、看護助手をやっていたが正職員の看護助手になって、今度は無謀にも45歳で婚活を始めた話。

頑張れ、友よ

いや、頑張るのはお前だ。
と、神様に言われても甘んじて受けよう。


仕事がない


ちょっと驚くほど仕事がない。
時々エントリー(申込み、立候補)しませんか?という電話があり、とりあえず飛びつく。
しかし社内選考(派遣会社の中での選考)で落ちる。社内選考で受かっても、派遣会社同士の争いで負けて面談(派遣先へ面接にいく)中止になる。

とにかく面談まで辿り着けない。
つまり、土俵にすら上がれない日々だ。

婚活でも就活でも負けていて、唯一引き分けているのは暇に任せての終活だけである。


ないない尽くしの人生、手元にあるのは犬だけだ。いや、一番大事な物が残っている、という意味では奇跡と感謝なのだが…

さすがに貯金もヤバい。
若い頃ならチラッとお水やってその場しのぎ、とかやっていたかもしれん。
だが、今の私は年齢的には銀座のママ位の貫禄とシワと白髪に満たされている。いやいや、銀座は無理だ…銀座のママは貫禄とスタイルと美貌を保っている。

北千住とか……蒲田くらいなら…いける?
いやーっ!そういうことじゃねーんだ!
私は!企業様でパソコンを前に働きたい!


そう、もう病院勤務という蟹工船がすぐそこまで私を迎えに来ている……
蟹工船は「いつでもおいでよ!安い給料で残業代なしで無限に働かせてあげるよ!」と、手招きしている。


そんな私に、一つだけ良いことがあった。




彼氏が出来たのである。

【続く】