ある中年看護助手と保護犬の婚活生活

我が家に来たときから直腸末期癌の高齢保護犬と、ずーっと派遣で事務職と医療事務、看護助手をやっていたが正職員の看護助手になって、今度は無謀にも45歳で婚活を始めた話。

借金のある男【完結編】

昨日始まった話が、いきなり完結編というタイトルである。
オチは見えている。
Twitterで、チラッと予告したので私を知る方は、是非笑い飛ばして欲しい。

今日の今頃、すでに私は待ち合わせのために家を出ていたはずである。
だが、今の私は起きて30分、その間に食パン2枚にコーヒーを飲んで、昼のワイドショー等眺めている。

さて、このようなことになった理由は、昨日の夜中0時頃に遡る……

明日はランチに行くから、着て行く服を考えて、臭くないように風呂に入っていた。
そして風呂を出て、スマホが光っているのを見る。何だ、夜中に。

「もう会わないんだよね」
「元気でね」

ん?
昨日電話したときに、明日は13時に○○駅でね、って最後お互い念押ししなかったっけ?
しかし、これはもしかしたら渡りに船かもしれない。
やっぱり借金400万円と、それを黙っていたことに若干引っかかっていた私。
でもとりあえず確認。

「え?どこでそんな話になった?」と、弁明の機会、もしくは本当に誤信かもしれないので、確認の返事。

「アプリ退会してたから。嫌われたかと思って。昨日電話で怒ってたみたいだし。」

確かに婚活アプリは退会した。
何故なら、彼とはすでに連絡先を交換して電話で直接やり取りしているので、必要以上にネットに個人情報流しっぱなしは怖かったからだ。
なので、簡単に言うと、アナタが見つかったから退会したのよ、とのことだが……
そしてこちらからすると、私と会ってるのにまだアプリ見とったんかい、と少しカチンと来たが、何かもう、そう思われたことにココロが折れた。

「そう思われてると思ってしまったんだったら、会わない方がいいね。元気でね」

と、返信。最後の元気でね、は若干嫌みも入っている。
風呂上がりなので、寝間着を来たり顔にオールインワンを塗ったりしていたので、ここでちょっと間が空く。
その間にも、ガンガンメールは来る。
ちょっとの間も待てないくらいパニクってるのは解るが、そういうのもちょっと苛立った。

「借金のことと副業のこと黙ってたのずっと気になってて。許して。」
「怒らないで。許して。」

あ、副業ってのは借金を作る原因になったものを、ネット販売にして少し収入を得ているらしい(会社公認)。
そこは別に気にする必要ないと思うのだが…収入になってるのだし。

「怒ってないけど、待ち合わせの時間まで決めて約束したのに、そういう試すようなこと言うとか、私の話し方で不安になるとかだと、この先も上手くいかないよ」
「こういう小さな事が積み重なって、離婚したんだから解るでしょ?」

上記の文を打っている内に、もう彼とはないな、と確信していた。
前の奥さんとの離婚理由に、小さなことが重なって、と自分で言ってのだから解るだろ!という気持ちで送信!
風邪薬を飲んでいたので、私は眠くて、早く終わらせたくなってきていたのだ。

ほんと、厄災のオンナだ。悪いやっちゃ。

「違う。」
奇子さんは来ないって思ったら必ず言ってくれる人だから。俺も行くつもりだった!」

おい。
ってことは、私が来ないとも思ってたんかい。こっちは明日の服まで用意しとってんぞ。

「それでも一方的に、元気でね。とか送ってくるのがもう無理。心が折れた。」

実際、もうバキバキに折れてた。台風が去って道端に枯れてバキバキになった枝が散らかってるくらいに。

「婚活アプリで奇子さんの言葉(多分自己紹介のこと)確認しようとしたら退会してたから。」
この後は、ごめん、許しての連続。

そこで先に書いた、個人情報をネットに晒してるのが怖いからだと、理由を知らせた。
結構詳しく書かされるので、実際、かなり怖いのだ。で、その返事が

「退会するのを教えてくれないと俺だって誤解する」

おーい。
今ので君は完全に私の中からいなくなったぞ。ネット通販を副業にしてるのに、個人情報舐めんな。

「仕事でトラブルあってヘトヘトでストレスも限界だった。許して。」

さらに許して攻撃がくる。
しかし許すとかの問題ではなく、私と世界のボーダーラインが違うのだから無理よ。

ここで私は昨日から考えていた、借金あるから店選ぶのも気を使うし、もっと会いたいとか、一日おきに電話してくるのもちょっとしんどいなと思い始めていたことを説明する。
楽しいから長電話してしまうんだけど、そもそも電話好きじゃないって、最初のメールに書いてるのに、ガンガンかけてくるのにちょっと引っかかっていたのだ(引っかかっていたこと多いな)。
そして最後に、
「そこで、さっきの言葉で心折れた。」
と、締める。

「仕事の給料も部署全体、一律5千円下がるって言われて。」

私の今書いた理由に対しての返事としてどうなの?繋がりないやん?と、思ったのだが、まあ、それがストレスの一因で、と言いたかったのだろう。

すかさず、私は、それならばよけいに優しくて癒してくれる女性探せよ、ということを優しい文章で返す。

「会うペース嫌がっていたのは解っていたから、これから少し間を空けるつもりだった」
奇子さんは心狭くない。俺に余裕がなかった」
この後はもう許して攻撃。

私の心は猫の額より狭く、アナタは常に400万円の借金がある人、と私の中で名前が書き替えられた…
ああ、私やっぱり借金ある人は問答無用で無理なんだな…と気付いたよ。どんなに人間が良くても、一緒に歩むパートナーとして巻き込まれるのは駄目だ。

法律事務所で働いていた時の、数々の債務者のことが頭をよぎった…

「本当に無理です。ごめんなさい。疲れてるときに酷いこと言って申し訳ないけど、ごめん。」

と、許して攻撃に無理です攻撃。
その攻防を繰り返して、ようやく向こうも引いてくれた。

その戦い45分間。

0時45分、私の婚活は終わりを告げた。

突然、どえらい展開を迎えて、連載は終了になりした(笑)

そんなわけで、私は今日の約束がなくなり、のんびりとテレビを観ています。

毎回、婚活アプリでの関係が終わると「やっぱり私、独りでええんやな…一瞬寂しくなってトライするけど、結局面倒になってしまう…」
と、反省するのだが、今回は借金発覚まで、結構本当に好きになれそうだな、と思っていただけに反省というより、モヤモヤする。
借金をしていることと、それに対する彼の対処がまず受け入れられなかったし、突き詰めると、どんな仕方ない理由でも、借金ある人は駄目だったのだと解った。

うむ。勉強になった。
というのが、今回の感想だ。反省点は、まずもう、悪戯に婚活アプリしないでおこう!ということである。

65歳の先も独りで生きていく計画はちゃんとある。
だからもう、諦めろ。
犬としか喋ることがない生活でも死にはしない。
将来、妹や甥姪に迷惑さえかけなければ大丈夫。手術が必要なときは、レンタルおじさんでも雇えばいい。

さ!
切り換えていこう!
昨日はNetflixで念願のジョーカー観たから(これはすごい面白かったのでその内ここに書きます)、今日は何かホラーでも観るか…
そして怖くて眠れなくなって、無理やり犬を呼んで寝よう!